【書評】『起業のすすめ』で気づいた“サラリーマン的思考”からの脱却|会社員9割時代にこそ読みたい1冊

こんな人におすすめ
- サラリーマンを続けることにモヤモヤしている
- 起業に興味はあるが、何から考えていいかわからない
- 「安定」が本当に正しいのか?と疑問を感じている
- 起業=特別な人がすることだと思っている
⏰読了時間の目安
約3〜4時間(集中して読めば1日で読破可能)
※私は子どもの寝かしつけ後に3日間かけて読みました。
結論
『起業のすすめ』は、“サラリーマンが9割”という日本社会において、「そのままで本当に大丈夫?」と問いかけてくれる一冊。
起業を煽るのではなく、「あなた自身の人生を生きる覚悟を持とう」と背中を押してくれます。
本を読んだきっかけ
私自身起業というよりも、脱サラすることへの興味や関心が強く、本書を手に取りました。
というのも、コロナ渦をきっかけに私は投資に目覚め、当時はやっていたFIREへのあこがれを強く抱きました。
ただ、一方でFIREしたところでこのブログのコンセプトでも述べていることですが、可処分時間が多すぎること(要するに暇すぎること)は、返って幸せから遠のいてしまうことが分かってきました。
だたし、まだ2歳と0歳の娘との今後の限りない時間を考えると、時間に縛られた生活を続けるのは惜しいと考え、近々の脱サラを見据えて”起業”とタイトルにある本書を手に取ってみたのです。
書籍の概要と構成
本書は、大きく2つのパートに分かれています。
※実際の章のタイトルではなく、ざっくり分類するとこんな感じかなと私なりにかみ砕いてまとめてみたものです。
第1〜2章:サラリーマン社会の終焉と起業の意義
- 昭和モデル=“普通の幸せ”が限界を迎えている
- 起業とサラリーマンの根本的な思考の違い
- 起業を選ぶべき社会的背景と変化
第3〜4章:起業に向けたマインドセットと準備
- 起業アイデアの考え方
- スキルの掛け合わせ
- 起業家に必要なメンタルと哲学
※3~4章については、内容は結構抽象的です。でも、著者も潔いなと思って私は好感を持っているのですが、こんなことについて詳細を知りたければ○○を読め!と専門的な本を紹介してくれるスタイルでした。
印象に残った3つの学びと気づき
① 起業家とサラリーマンの思考の違いが秀逸
視点 | 起業家 | サラリーマン |
---|---|---|
成功条件 | 不確実な状況で成功する力 | 確実な状況で成功する力 |
始動力 | プロジェクトを自ら始めたい欲望 | 既存の業務を引き継ぎ成長させる |
説得力 | 他人を巻き込む・説得する力 | 社内調整力・根回しの力 |
起業家とサラーリマンでは、求められるスキルそのものが根本的に異なるということを学びました。
優秀なサラリーマンが起業家として成功できるわけでもなければ、起業家で優秀な人が、会社員として活躍できるかと言われると、どちらもNOです。
それぞれ求められるスキルが異なり、そのことを理解したうえで、自分の身の振り方を考えることが大切だと思いました。
② “普通”という幻想を壊してくれるデータと視点
戦後の日本が作り上げた、サラリーマンが最高の幸せモデルである時代。(=昭和)
現在の日本は「サラリーマンが9割」けれど、昭和の“普通の幸せ”はもう再現できない」フェーズにきている。
なぜなら、会社に依存したサラリーマンが増え、他責思考のサラリーマンが日本中に萬栄することで、今後の日本の未来が傾いてくる構造になってしまったからです。
こちらは、本書の1章冒頭で書かれていたことです。
本書前半は多くのデータと筆者の経験から語られる話が納得感があって好きでした。
上記の通り、現在サラリーマンの割合は9割もいます。
この実は数値は昭和より右肩上がりに増えているのです。
起業家たちが目立って出る杭のように揶揄されていたのは、社長業がマイノリティになっていたことも背景にあるのかもしれません。
ただ、現状を変えるためには既存のサラリーマン精神では、状況は前に進まないということでした。
③ 商社の“ぬるま湯戦略”にドキッとした一文
「商社って社員をぬるま湯に浸からせるのが上手なんです」
年収やブランドで縛ることで、社員が“外の世界”を見ないようにする戦略が商社のやり口だと、元商社マンの著者が述べています。
でも一歩外に出てみたら、起業家たちにとって「年収1500万は鼻毛みたいなもの」と著者は言い放ちます。
私にはこのくすっと笑えるブラックエピソードが、今務めている外資コンサルの立場を捨ててもいいなっと思えて、背中を押してくれている一文となりました。
注意点|第3〜4章は抽象度高め
起業アイデアの探し方や準備についても書かれていますが、やや抽象的でフワッとした印象を受けるかもしれません。
ただし、そこは「具体的なノウハウは○○の本を読め」と潔く書いてあるのが逆に好印象でした。
まとめ|“普通”から一歩踏み出す勇気をくれる本
起業は特別な人だけの選択肢じゃない。
この本を通して、そんな勇気をもらいました。
「サラリーマンのままでいいのかな?」
「何か始めてみたいけど、踏み出せない」
そんな人にとって、この本は背中を押してくれる“新しい生き方のすすめ”になるはずです。
もっと詳しく読んでみたいと思ったかたは、ぜひ本書を手に取って読んでみてください!
あなたの仕事への価値観が大きく変わるかもしれません。